てんかんで障害年金を請求するには
てんかんは、その原因や発症年齢、発作の症状などが様々で、その予後(将来の見込み)も対応によってて異なりますが、障害年金の対象となるのは「難治性てんかん」と「てんかん性精神病」に分かれます。
難治性てんかんとは投薬によって症状が抑えられないもで、薬を飲んでも発作が生じてしまうことから労働や日常生活が制限されている方に対し、てんかん発作の頻度に応じて(下記参照)、1級~3級の障害年金が支給されます。
てんかん性精神病とは発作は治まったが、その後も被害妄想や抑うつ気分といった症状が出現するものです。てんかん性精神病の場合は、発作はなくても、精神症状による労働や日常生活の制限の程度に応じて、1級~3級の障害年金が支給されることになります。
てんかんによる障害年金の認定基準
(1)各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである
障害の程度 | 障害の状態 |
---|---|
1級 | 十分な治療に関わらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の援助が必要なもの |
2級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作AまたはBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの |
3級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のAまたはBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受けるもの |
てんかんは発作のタイプが下記の通りに区分されます。
A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが随意運動が失われる発作
抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制されている場合は原則として認定の対象にならない、とされています。また、てんかんとその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合認定の取り扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定されます。
てんかんのケースでは、上記のA~Dの発作の重症度と頻度に加えて、発作が起きていない状態においても、精神神経症状や認知障害などが出現することが認定の基準とされています。裏を返すと、うつ症状などの精神症状を伴わないてんかんは、認定されにくいということです。実際に、他の精神疾患に比べて軽くみられがちな事例が後を絶たないのが現状です。